社員の意識と行動で変わった!大商木材に残業がない理由

大商木材では、令和元年の社長交代を機に全社的な働き方や業務の見直しを行い、よりより体制づくりに向けた社内環境の構築を進めています。

その成果として、“ほとんど残業がない”職場環境が整いつつあります。

「残業がない」環境づくりのために、どのような取り組みを行っているのか。また、その取り組みによって社員にどのような変化が生まれているのかご紹介していきます。

大商木材の残業の現状

工場は残業ゼロ、配送・営業は月1~2時間

【勤務時間】8:00~17:30  

●工場   ゼロ

●配送   1時間~2時間(月合計)

弊社の6月末の残業時間は、上記のような状況です。配送は、残業というより早朝の納品があるため早出もあります。ただほとんどの社員が、早出があればその分早く退勤するなど、月内での調整ができています。

もちろん業種の特性上、年に1~2回の繁忙期はありますが、その期間以外は、ほぼ上記のような勤務状況が整いつつあります。

ここには、社長自らが率先して“定時勤務”を遂行し、そのためには何をすればよいのかを考え、実行できる組織づくりを行ってきたことが功を奏していると言えると思います。

「残業ゼロ」を可能にしたものとは

昼礼」の導入で情報を見える化

社長交代以前は、その日にどのような作業を行うのかは、各部署の上司だけが知っているという状況でした。出社した社員に朝礼で、上司から今日の作業内容が伝えられるというものでした。

この朝礼を簡素化し、「昼礼」を新たに取り入れたのが現社長です。もちろん朝礼は今まで通り行ってはいますが、出勤確認程度のものです。

昼礼を取り入れたのには、もともと社長が大手ゼネコンで働いていた時代の経験があります。昼礼により、部内全体で翌日のスケジュールまで把握できていることで、仕事の段取りがスムーズに運び、急な業務変更などにも効率良く対応ができていたそうです。

弊社でも社長交代に合わせて全社員での昼礼を取り入れたことで、“情報の見える化”につながり、自分たちの作業に掛かる作業時間の把握から、翌日の準備までを全社員で取り組めるようになりました。

それまでは、朝から今日の準備をすることで、足りない物があったりすれば、作業をストップせざるを得ないということもありました。

しかし今は、前日の昼礼で翌日の作業の流れまでが共有されていることで、作業の完了時間が明確になると同時に、いかに効率よく時間内に仕上げるかといった事前の準備にまで、社員の目が向けられるようになったのです。

「昼礼」導入のきっかけについて詳しくは、以下の記事でご覧いただけます。

働き方の捉え方(意識)が変わった

また、効率よく仕事が進むことで、隙間の時間も生まれます。自分たちの仕事がひと段落したら、「他の部署で手伝えることはないか」「明日の準備で足りないものはないか」などを、自発的に考えられる意識の変化が見られるようになりました。

仕事そのものを「自分の仕事はここまで」「これが終わればよい」と捉えるのではなく、「自分の作業にプラスして何か応援できることはないか」といった視点で見ることができる社員が増えてきているのは本当に喜ばしいことです。

これは、会社全体の生産性に意識が及んでいる表れだと思います。この意識がさらに浸透していくことが、会社の成長を後押してくれるのだと思います。

お客様の理解が広まった

朝礼導入による情報の見える化により、作業の効率化が図られ、加えて社員の意識にも変化が見られることが、残業ゼロに近づける大きな要因になっていることは確かです。それに加えて、お客様の弊社の業務に対する理解が広まっていることも挙げられると思います。

一昔前であれば、弊社の就業時間などへお客様の意識が向くことはなく、土日曜であろうと、平日の就業時間外の時間帯であろうと、指定される時間は絶対でした。

しかし社会全体の変化もあると思うのですが、お客様の中にも土曜、日曜日に稼働しているという前提でのオーダーをいただくことはなくなりました。弊社がどのようなことを大切にして仕事をしているのかといったことをご理解いただけていることが、「残業がない」ことの一因になっています。

「残業をしない」ために全社員が心掛けていること

情報共有のためのホワイトボードの活用

先ほどお話した「昼礼」では、ホワイトボードが大活躍します。

ホワイトボードには、各部署の仕事の流れや必要なものなどの情報が全て書き込まれています。いわば、弊社の心臓部と言える情報管理ツールです。

以前は、上司からの伝達だったものが、ホワイトボートに書き込まれることで、全員が情報を可視化でき、「あれ、どうなっていたかな?」といった時にも、自分で即座に確認ができるのです。

最近は、新人社員もすぐに上司に尋ねるのではなく、“まずは自分で確認をする”ことが習慣になってきているようです。

部署完結ではなく全体的な仕事の流れを俯瞰して見る

作業の効率化が進んだことで、隙間時間ができることは先程お伝えしましたが、全体的な仕事の流れを俯瞰して見ることができる社員が増えてきているように思います。

先日は、「配送で〇〇へ行きますが、何かやってくることはありませんか?」と、新人から先輩社員に声掛けをしている現場を見て嬉しくなりました。

このようなことも、業務全体を俯瞰して見ているからこそ、「自分にできること」を能動的に実行したいという意識の変化が見られるのだと思います。

ひとり一人の意識と行動の変化がもたらす会社の成長

自分の仕事に“線を引かない”

会社は一人一人の力が結集している場所です。それぞれの力が存分に発揮できることはもちろんですが、自分の仕事に線を引かずに会社全体として仕事を捉えてくれる社員が増えてくることが、会社としてのボトムアップにつながると思っています。

「Best」でなく「Better」を目指す

「残業がない」ことは、ひとり一人の意識と行動の変化からもたらされた、弊社の成長の証でもあります。業務の改善においては、まだまだ伸びしろはたくさんあると思っています。もしそれに気付いているけれど、なかなか言い出せない社員がいたら、ぜひ声を挙げてより良い風土を自ら築いていってほしいと思います。

「Bestでなくていい。Betterを目指す」―。これは代表が常日頃、社員に示している言葉です。最初から完璧を目指さなくてもいいのです。より良い方法を皆で考え、寄り道をしながら模索していくことで見えてくるものもあると思うからです。

むしろ、その過程が大切な気付きを与えてくれることもあるはずです。たくさん意見を出し合える組織、それを議論できる組織、そして良い方向性を皆で見いだせる組織。私たちの求める“Better”は、そこにあります。