未来への投資 大商木材の10万円チャレンジ!

業務の効率化や働きやすい環境整備などを目指し、皆さんの会社ではどんな取り組みを行っていますか? 会社によっては、経営者や管理者が事業計画に沿って必要な部分に予算立てをし、優先順位の高いものから実践していくというところが多いのではないでしょうか。

今回ご紹介するのは、「こんなものがあったら仕事の効率が上がるかも」「休み時間や退勤後にこんな設備があったら、社員同士のコミュニケーションが深まるのでは」…など、社員一人ひとりが知恵を絞り、導入の効果を説明し、実践へと結びつける初めての取り組みです。

名付けて「大商木材の10万円チャレンジ!」。

この取り組みを行った経緯や実際どのようなものが導入されたのか、またこのチャレンジ企画が社員や会社のどのようなメリットにつながったのかをご紹介していきます。

「10万円チャレンジ」を実施した経緯

10万円チャレンジを実施したきっかけと目的

この企画は2024年10月に、工場内の資材の保管方法を見直したことがきっかけでした。この機会に物置き場となっていた本社2階のスペースも一緒に整理していこうということになりました。

見渡してみると、必要ない資材や書類が山積みになり、2階のほとんどのスペースを埋め尽くし、何年もの間全く活用されないデッドスペースとなってしまっていました。

広いスペースに間仕切りとなる壁を皆で作り、休憩やお客様との打ち合わせなどに使える新たなスペースが完成しました。

そこで代表は、「このスペースの有効活用と合わせて、会社の将来に役立つことを皆で考えていこう」と「10万円でできること」を考える企画を提案したのです。

全体の予算を伝えて、その金額で実践できることを部署ごとや全社的に考えるのではなく、社員一人ひとりに考えてもらう企画にしたことにも、代表の狙いがありました。

大商木材の「10万円チャレンジ」のルール

この企画を進めるにあたってはいくつかのルールを設定しました。

1.限度額10万円でできること(1人で検討できる予算額)

2.個人のためではなく、今会社に必要なもの、あったらいいと思うものであること

3.将来的に会社全体のプラスになるものであること

4.2024年12月末までに導入可能なもの

これらのルールを満たすものを、それぞれが考えることからスタートしました。

「10万円チャレンジ」の実践に向けて

実施までのプロセス

一人ひとりが考えたものは、そのまま会社に伝えるのではなく、まずは「MM」(みんなでミーティングの略)で話し合うことになりました。

「MM」とは、同社で2022年から取り組んでいるもので、管理職や中堅社員が中心となり、部署の垣根を越えて、新入社員も交えてさまざまなテーマについて話し合いをしたり、勉強会をしたりするミーティングです。

大商木材の「MM」について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

この「MM」でそれぞれが、どうしてそれが必要なのかを説明し、皆で検討した後、精査したものを会社に申請するという流れを作りました。

もちろん今は必要ないと判断されたものもありますが、全員が会社のために何が必要かを考えることに、この企画の意義があるのだと思います。

導入されたものは?

どのようなものが導入されたかというと、まずは直ぐに業務に生かせる工具類。バラバラだった工具類をこだわりのブランドで揃えたり、おしゃれなカートに並べたりすることで気持ちが上がりました。その他、配送した後のトラック内の木くずなど、簡易な掃除ができるハンディー掃除なども購入していただきました。

このほか、業務には直接的な関係はないけれど福利厚生につながる部分では、休憩時間や終業後のリフレッシュや体力増進を兼ねて活用できる、フィットネスマシーンの導入なども実現しています。

また近年、女性社員が増えていることから、更衣室にソファを置いてもらうほか、配送時の休憩時間などに外部から車内が見えないようにするためのサンシェードなども導入していただきました。これまで同様、男性だけの視点で検討していれば、気付かなかったことかもしれません。

従来、男性しかいなかった現場では気にも留めなかった工場内のトイレ問題なども、今後検討していく必要があるでしょう。

まだまだ少ない声ではありますが、今回のような女性社員からの声を現場に生かしていくことが、性差に関係なく誰もが働きやすい環境づくりへの一歩につながるのだと思います。

「10万円チャレンジ」を通して見えてきた変化

作業効率化、環境改善への視点

今回の取り組みを通して、現状の仕事をさらに効率よく進めるにはどんなものがあるといいのか、また皆の働きやすさとはどんなことなのかについて、思いを共有できたことはとても大きなメリットになったと思います。

効率よく進める方法について思いを巡らすということは、一度立ち止まり現状の仕事の進め方を振り返るよい機会になります。

業務を改善していくという視点が、日ごろの業務の中に恒常的に生まれるということは、全員が自分の役割だけでなく、会社全体に目が向くことにもつながります。

「緑化部」の立ち上げ

また嬉しいことに、会社のためになることを考えた際に、「緑化部を作ろう!」という意見が社員から出てきました。当初思いもしていなかった社員たちの想いが頼もしくもあり、新たな好循環を生んでいるように感じます。

殺風景な事務所にも植物があることで、癒しの空間が生まれます。社屋周りの植栽にも花を植え、垣根を整備していこうという積極的な社員が率先して活動を始めてくれています。

緑化部部長の池田さん。花にも詳しく、季節を通してどんな花が増えていくか楽しみです

実務に追われているとなかなか手が回らない部分ではありますが、誰かがちょっとした時間を見つけて行動してくれることが、社員だけでなく、会社に足を運んでくださるお客様にとっても居心地の良い空間を提供することにつながるのです。

活動は強制ではなく、あくまでやりたい人ができる範囲で、細く長く進めていくことが大切なのだと思います。自分が協力できる(したい)こと。その小さな積み重ねでいいと思っています。

緑化部の皆さんに「今年の目標は?」と尋ねると、「芝桜をいっぱいに咲かせること!」と答えてくれました。春先に、ピンク色に染まる花壇が見られることを今から楽しみにしています。

小さなチャレンジの積み重ねが未来への投資に

2024年の締めくくりとして、初めて実施した「10万円チャレンジ!」。部署ごとの取り組みとしてではなく、あえて一人ひとりに考えを委ねたのには、業務歴や社歴、性差や年齢差の壁を越えて、多様な視点から会社の今後を考える必要性を感じたこと。また「普段表立って意見を言わない社員や経験の浅い社員の会社への想いを聞くことに加え、誰もが声を発することができる場を作ることが今後の会社づくりに生きる」と代表が確信しているからです。

予想通り、これまでは思いも付かなかった視点からの要望が出てきましたし、若手社員からは、「自分ごととして会社のこれからを考え、その考えを伝えることの大切さを学ぶ機会となった」という声も聞かれました。

会社を「自分たちで良くして行こう」という好循環が生まれ、会社に新たな風が吹き始めていることを感じます。

緑化部のような小さな取り組みが積み重なって、気付いたときに会社の新たな風土(大商木材らしさ)として根付いているといいなと思います。

今回の「10万円チャレンジ!」は初めての取り組みでしたが、自分だけの仕事ではなく、会社全体のことを一人ひとりが考えていける組織を目指す大商木材にとって、とても大きな変化をもたらしてくれました。

このような小さなチャレンジの積み重ねが、これからの会社の未来につながる投資になると信じています。