“気遣える人”の仕事のススメ ~大商木材で働く人①
木と共にある暮らし
「常に現場を走り回っていますね。しかも現場のいたるところに目を向けながら…」。
よく、お客さまからこんな声を掛けられている社員がいます。
建山太樹。1985年生まれ。2008年4月の入社以来、工場内のパネル加工(ツーバイフォー)、配送、CAD、資材発注管理など、一連の業務を経験し現在は、弊社の業務を360度見渡せる資材発注管理統括部長として働く事業の要です。
仕事における技術面はもちろん、人を引っ張っていく統率力がどこからきているのか、建山のバイタリティーの源を探ってみようと思います。
高校で今の仕事に生かせる知識、技術を取得
生まれは、熊本県下益城郡美里町。県の中央に位置するこの町は、町土の大半が森林という中山間地域。日本一の石段(3333段の石段)で知られる釈迦院御坂遊歩道やハートの影を作る石橋二俣橋など、豊かな自然と共存する観光地域でもあります。
見渡す限りの大自然の中でのびのびと育ち、幼少期を過ごしました。
林業が盛んな町ということもあり、高校は隣町の県立矢部高校の林業科学科に進み、森林や環境教育、地域資源活用などさまざまな林業教育を受け、技術と知識を磨きました。
高校での3年間は実技と講習の連続。今の仕事に生きる技術を習得し将来は、公務員を目指していたと言います。
学業以外では、「子どもの頃はサッカーに明け暮れ、小・中・高校、前職と10年くらいはやっていたかな…。今は全然やれていないのですが、家にいてゴロゴロしているのが苦手で、休日も何かしら外に出てやっていますよ。それは今も一緒ですね」と笑います。
実父は大工さん。米作りをしながら兼業で木材に関わる仕事をしていた父の姿を見て育った建山が、高校卒業後、最初に選んだ進路は自衛隊でした。
徹底的に教えられた社会で必要な基礎
自衛隊での入隊期間は4年間。規律正しい自衛隊での仕事を通し、徹底的に教えられたのは周りの人への“気遣い”でした。
「上下関係を円滑にするために必要なこと、後輩への声かけの仕方など業務に必要なことから、上司や先輩に重い荷物を持たせない。掃除や整理整頓、時間厳守などの日常生活の基本となることまで…。すべてのことを訓練と日常生活の中で叩き込まれ、それが4年間の自衛隊での経験を通して自然と身に付いた」と言います。 これが必要なのは自衛隊に限ったことではありません。どこの社会でも必要とされる周りを“気遣える”素地を、この4年間で培ったと言えるのかもしれません。いわば、建山の統括部長という今の役職につながる土台となっているような気がします。
周りを気遣える人とは…
では「気遣いができる人」とはどんな人なのか―。簡単に言うと相手のことを気にかけて配慮できる人。良く“気が利く”と言われる人は、相手の些細な変化を察知し、迅速に配慮することができる人を指します。
また、人を不快にさせない、相手が今何を望んでいるのか、今自分に求められていることは何かを瞬時に判断して、動くこと、采配することができる人がこれに当てはまるのではないかと思います。
建山の仕事に対する向き合い方や姿勢を見ると、まさにこれに当てはまるのです。いつも、「もしかしたら背中にも目が付いている?」(笑)と思うほど。常に360度現場を見渡していることはもちろんですが、先の先までを考えて動いている姿には圧倒されます。
大商木材の仕事のおもしろさはココにある!
工場内のパネル加工(ツーバイフォー)、配送、CAD、資材発注管理など、一連の業務を経験した建山に、「一番おもしろいと感じる仕事は?」と尋ねると、「どれも初めての仕事は覚えるだけでも必死。それぞれにおもしろさはあるのだけれど、あえて一つ挙げるとするとパネル加工かな…。作る工程はとても楽しいし、お客さまに納品したときの反応、この業界で言うと『何も言われないとき』は、上出来という証拠。なので、スムーズに納品が済むと『よし!』とガッツポーズしたくなる瞬間があります」と笑います。
仕事のおもしろさとは、失敗も含めて、いろんな体験を積み重ねられること。
それを一つ一つクリアするごとに経験値としての器が大きくなり、次のステップ、次のフィールドに上れ、仕事のおもしろみが増していくのだと思います。
建山がよく、「考えるより先に体が自然と動く」と言っているのですが、その秘訣は仕事を円滑に進めるための“段取り”にあるようです。
朝の通勤時には、運転しながらも「今日は、あれをして、これをする。誰々の仕事はこれが中心だから、それが終わったらこれを頼もう…」という流れが出来上がっているそう。
自分の仕事のみならず、他のスタッフの仕事の流れまで。いやはや、完璧です。ここに至るには、まだまだ私たちも経験を積んでいくしかないのでしょうね。
仕事も暮らしも充実してこそ
近年、「ワーク・ライフ・バランス」という言葉を良く聞きます。
「仕事と生活をバランスよくする」という意味に捉われがちですですが、そもそもこれは、仕事と生活のバランスを取ることではなく、仕事と生活を調和させることに意義があるそうです。
「仕事と生活の調和」は、その人が置かれている環境や家族構成、年代、そもそもの価値観によって変わってくるものだと思います。
建山の仕事を支えているものは家庭であり、家庭を支えているものが仕事。「それぞれが充実しながら、うまく調和することが大切」と語ります。
いつもの仕事ぶりから仕事人間かと思いきや、休日は夫婦二人でドライブに出かける他、キャンプも始めてみたいというアウトドア派。
共働きのため、家事などはできる方ができることを率先してやるようにしているそう。「得意料理は?」との質問に、「チャーハン、卵焼き!」と即答。いつの日か、その腕前を皆に披露してもらいたいですね。
大商木材でのこれから
大商木材における一連の仕事をようやく習得したという建山。「次は、自分が学んできたことを他の社員に伝えていくことが管理職としての役割」と言います。
何百人も社員を抱える会社ではないので、一人一人の仕事に対する考え方や見据える方向性が違っていてはチームとして成り立ちません。
そのために必要なのは、誰が休んでも、誰かがそこを補える組織づくり。
社長交代時から全員の情報共有のために取り入れている昼礼。これも、次の日までの仕事の流れを全員が共有、把握し、いざという時に補い合える組織にしていくための第一歩です。自分の仕事だけで終わるのではなく、「他の人はどんな仕事をしている?」「自分にもできるかな?」「次はあれをやってみたい」…と思える活気あふれる組織。
ここにも、建山が言う周りを“気遣える”かどうかが、大きく関わっているような気がします。
自分の仕事だけでは会社は成り立ちません。みんなが一つのチームとして能動的に稼働してこそ、組織としての力を発揮できるはずです。
“気遣える人”の働く姿勢を隣で学びながら、自分もその一員になれるよう、周りを見渡し、少しずつできることを増やしていきたいと思っています。
できることから一つずつ。着実に皆が思い描いている未来図が見えてきたような気がします。
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